車蝦の茶漬け美食家として知られる北大路魯山人が、「車海老の茶漬け」というエッセイの中で非常に美味しそうな茶漬けを紹介している。備忘録のため、ここに紹介したいと思う。Kindleで無料で読める数ページのエッセイなので、ご興味ある方は読んでみると良いかもしれない。

正月はエビを食べる機会が多いが、こういうのもまた、一度はやってみたいものだ。

 

 

”えびの贅沢な茶漬けを紹介しよう。これまた、その材料の吟味いかんによる。これから述べようとするのは、東京の一流天ぷら屋の自慢するまきと称する車海老の一尾七、八匁までの小形のもので、江戸前の生きているのに限る。

横浜本牧あたりで獲れたまきえびを、生醤油に酒を三割ばかり割った汁で、弱火にかけ、二時間ほど焦げのつかないように煮詰める。(中略)

例のように熱飯のうえに載せる。茶碗が小さければ半分に切ってもいい。それに十分な熱さの茶を徐々にえびの上からかける。すると、醤油は溶けて蝦は白くなる。やがて、だしが溶けて茶碗の中の茶はよきスープとなって、この上なく美味いものとなる。

季節はいつでも良いが、夏など口の不味い時に、これを饗応すれば、たいていの口の奢った人でも文句は言わないだろう”

 

 

この他、北大路魯山人は、いくつかのエッセイを書いており、そのどれも非常にクオリティが高く、読んでいるとメチャメチャ腹がへる。

 

「河豚食わぬ非常識」

「鰻の話」

「鮟鱇一夕話」

「鍋料理の話」

「だしの取り方」

「美味い豆腐の話」

 

など、どれも面白い。

料理好きの方は、どれも無料なのでぜひオススメである。